あめんぼ座の活動

第96回あめんぼ座公演は、演出に熊本 一氏を迎えました。

深沢七郎作「楢山節考」演出:熊本 一

show201904.jpg


出演
柳沢佐和子・柏原圭子・西野孝子・泉谷聖子・南数美・藤田雅子・真木美佐緒・鬼頭寿美子・山本郁美・森際いづみ

show201904.jpg-a.jpg
show201904.jpg-b.jpg

スタッフ

演出:熊本 一(劇団大阪)

照明:新田三郎

衣装:秋本日砂衣

音響:照島佳宏

舞台監督:北尾利晴

宣伝美術:尾崎閑也

イラストレーション:奈路道程
記録:堀出恒夫 宝蔵院孝明・SATOKO(OFFICE TAKA's)



大丸心斎橋劇場までの案内図

daimarumap.jpg 
★大阪市営地下鉄より

御堂筋線心斎橋駅、長堀鶴見緑地線心斎橋駅より徒歩5分

あらすじ
おりんの住む貧しい村では、70歳になると楢山さまへ詣るという風習がある。69歳になる彼女の願いは、楢山さまに詣るというつとめを立派に果たすこと、そして倅辰平の後添いを見つけることだ。向う村から玉やんという気立ての良い後家が辰平の嫁になることが決まり、孫のけさ吉にも村の娘との間に子供が生まれようとしている。楢山詣りの支度をすべて調えたおりんは、あとはその日に雪の降ることを願う。姥捨て山伝承のなかに奇妙な明るさの漂う名作。
楢山節考・考(演出を終えて)
kuma.jpg 深沢七郎の「楢山節考」は、広く知られている。1956年11月号中央公論に発表され,第1回中央公論賞を受賞するや衝撃のデビューとなった。2度に亘り映画になった。
今村昌平監督の映画で坂本スミ子がおりんを演るため、歯を抜いたという話はショックだった。改めて映画を見ると若い時に受けた印象とまるで違っていて驚いた。そういえば私はおりんさんの年齢をとうに超えている。あの時代の貧しい農村の村が生き残るための因習と生と性を描いた力作、カンヌ映画祭でグランプリを取った。そのもっと前に田中絹代がおりんをやったという話で、そういえばポスターに田中絹代が写っていたし、映画も見たような気がするが思い出せない。しかし最近になって演劇、素劇、音楽劇、狂言では野村萬斎がカラスをやったと聞く。
どうして今、楢山節なんだと劇作家の友人と話した。即座に「高齢化社会」と彼は言った。そうすると「楢山節考」は今日の棄老を描いているのかも知れない。評判の悪い後期高齢者名という言葉は不気味だ。しかし登場人物たちは明るく、力強く、ふてぶてしい。 名小説の朗読で、その世界(楢山節・考)に誘い、深め、広げることができるだろうか? そして言葉だけで届け、伝え、発見や感動をしていただけるだろうか。
この度「朗読劇団あめんぼ座」での『楢山節考』演出である。初めてのこと如何したらよいものか。代表の柳沢さんとお会いした。正確には覚えていないが「いろいろと特徴のある演出家から学びたい」という話があり、なんとなく演出の依頼を受けたような......その後お話をいただいた。私は本が書けないので笙野泉さんに台本をお願いすることになった。「小説の朗読」という基本線を変えず、原作のセリフ部分を有効に生かし、演出者に配慮してくださった。この作品の特徴である歌は全部ではないが採用いただき表現にプラスした。この歌詞が良い。つらい苦しい暮らしの中でこの時代の農村の様々を唄うのだが、これが他人の噂話、誹謗、中傷が多く、さらりとしていて楽しげだが、毒がある、なんともリアルなのだ。作曲もできる団員さんもいて、上演を盛り上げた。
二つの拘りがあった。楢山で降った雪は出来るだけ圧倒的であってほしい、楢山行きを楽しみに覚悟しているおりんさんも雪が降れば長く苦しまずに早く凍死できるという思い、唯一おりんさんの弱さが見えるからである。もう一つ息子の辰平だ。"お供ア楽のようで楽じゃない"優しい倅には尚のことである。泣くに泣けない辰平の怒りはどこにぶっつけたらいいのか!
スタッフの充実協力もあって、意欲あふれるいい舞台になった。


熊本 一 プロフィール

長崎市出身。損害保険会社に勤務しながら、1971年劇団大阪創立に加わる。以降劇団代表として2017年世代交代まで。1974年現在の稽古場谷町劇場を創設。2010年劇団大阪シニア演劇大学創立。現在、劇団大阪、シニア演劇大学、シアター生駒での演出活動。
全日本リアリズム演劇会議西会議議長、日本演出者協会会員、西日本劇作の会副会長、劇舎森の熊さん、グルッペ・あうん同人。

岩倉政治作「ばんどり騒乱記」、井上満寿夫作「浪華一揆大塩乱始末」「西鶴余情」、菊田一夫作「がめつい奴」、三好十郎作「獅子」、寺島アキ子作「かあちゃん達の明日」、山田太一作「日本の面影」、井上ひさし作「頭痛肩こり樋口一葉」、芳地隆介作「華、散る」、川崎照代作「塩祝申そう」、永井愛作「日暮町風土記」、岡部耕大作「亜也子」、松田正隆作「海と日傘」、畑澤聖悟作「親の顔が見たい」、伊地知克介作「姉川写真館の四季」、ポール・オズボーン作「朝は七時」、ニール・サイモン作「思い出のブライトンビーチ」、アーサー・ミラー作「セールスマンの死」等、100作を越える演出。

「そして、あなたに逢えた」(近石綏子作)で、大阪文化祭賞、新劇フェスティバル作品賞、第一回銀河ホール地域演劇賞受賞。ほか演出作品が府民劇場奨励賞、大阪文化祭奨励賞など。1998年大阪府知事賞(文化芸術部門)表彰。

(ラスタホール)での
劇団あめんぼ座井上ひさし作「頭痛肩こり樋口一葉」は大好評でした。

戻る

あめんぼ座の歩み
あめんぼ座の活動
あめんぼ座短信
朗読教室のお知らせ
ご意見箱
リンク