あめんぼ座とは

あめんぼ座40周年

about-photo01.gif 私が所属していた朝日放送のABC放送劇団は、劇団くるみ座の毛利菊枝先生から月 一回音声表現の基礎を御指導頂いていました。ギリシア悲劇などがテキストで先生 のおっしゃる「物言ひの術」――いい声を出そうと思うな、生活が悪ければ声は不潔 になる、など、精神面を含めて、全身を耳にして聞き入ったものです。そのうちくる み座の公演にも参加させて頂くようになり、肉声の世界の魅力に惹きこまれていきま した。気持を同じくして集まった仲間たちと「あめんぼ座」を結成して、草野心平の蛙 の詩から選んだ「構成詩ぎゃえるっ子」を京都、大阪で公演したのが、昭和48年で した。この時毛利先生が「詩の朗読はあめんぼ座のようにしなければならない」と周 囲におっしゃったそうで、この過分なお言葉は今でも私の大切な宝物です。以来40 年、時として挫けそうになった私を支えてもらえたと思っています。
 今回で90回目の公演になるわけですが、振り返ってみると夢のようで、幸せな気持 になります。どの公演も精魂傾けて作り上げた舞台ですが、特に思い出深いのは大阪 府民劇場奨励賞を頂いた徳丸勝博作・演出の「与謝野晶子・永遠なる七五調」(この とき初めて朗読劇という言葉を用いました)、尾宮賞を頂いた松本清張の「顔」などで しょうか。
 最近体調の関係もあって、劇団経営を若い人たちに移譲してきましたが、彼女らが苦 労しながらあめんぼ座を守っているのは、有難いことです。しかし現状に満足せず、 毛利先生以来の「美しい日本語の発音」を守るだけでなく、更なる高みを目指して欲 しいと思っています。あめんぼ座の特色であると言われる「群読」にしても、まだま だできることはあると思います。
 最後になりますが、あめんぼ座を支え、応援して下さったなつかしい方々に篤く御礼 申し上げます。これからもどうぞお見守りくださいますよう。


はんせいき

about-photo02.gif 西垣瑩子先生
そちらの世界へ行かれてから6年。ご機嫌良く過ごされていますか?私たち朗読劇の活動を続けていますよ。今年は創立50周年を迎えます。先生の7回忌にも当たりますね。
西垣瑩子と仲間たちが朗読の劇団を立ち上げた当時、舞台で朗読?演劇なの?中途半端でわからない、などと言う意見も多かったのでしょう。「言いたい人には言わせておけばいい!」といつも強気で前向きな先生でしたが、創立10周年の公演の時、京都の会場に恩師の毛利菊枝先生がいらっしゃるのを見て、舞台挨拶の時に涙で声を詰まらせた姿を思い出します。
「鬼の目にも涙か」と楽屋で笑ったりしていましたが、人知れぬ苦労や努力や頑張りがあったこととお察しします。
いまや朗読ジャンルは本当に幅広く、表現の形も実に様々で、自由で楽しいものになっています。  
  刺激になることもあり、私たちも常に新しい事に挑戦していきたいなと思います。
個性的で魅力的な先輩たちや座員たちがいなくなってしまって、未熟者の私が最古参になっています。不思議なものです。
いつまでも見守っていてくださいね。『半世紀』ならぬ『反省期』だと思って、気を引き締めてやっていきます。
では、また、お会いする日まで!


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