あめんぼ座の活動

あめんぼ座は皆様のおかげで50周年を迎えることができました

森鷗外作「山椒大夫」

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五十周年記念公演を演出して
私が所属する「劇団大阪」は、1971年に、二つの金融会社の演劇サークルがひとつになって創立した。そのころ私はまだ30歳であったが、以来52年間活動を続けてきた。
一方「あめんぼ座」は、1973年に西垣瑩子さん(故人)がリーダーとなって立ち上げ、今年50周年を迎えた。西垣さんは当時40代。
私とは一回りほど先輩である。実際、1982年の「大阪春の演劇祭」での朗読公演「新釈遠野物語」(井上ひさし著)を見た時は、自分たちと違って「おとなの劇団」だなという印象だった。若さにまかせて突き進んでいった自分自身の来し方と重ね合わせると、劇団活動を50年続けるというのは「偉業」と言っても過言ではない。今回の公演を演出するにあたって、まず意識したのはそのことである。
私が朗読と初めてかかわったのは、戦後40年企画として「グルッペあ・うん」が上演した「広島第二県女二年西組 ─原爆で死んだ級友たち」(関 千枝子著)である。演出は岩田直二さん(故人・関西芸術座)にお願いした。私はこの時制作であったが、この舞台は多くの観客を動員し、大変好評であった。この成果は、私に「朗読は劇場公演も可能だ」という考えをもたらした。以来、演劇の舞台だけではなく、朗読の舞台も演出してきた。したがって、今回も「朗読」であることを意識して演出している。
演目の「山椒大夫」は、森鷗外晩年の仕事である。鷗外は史伝や歴史小説を数多く書いているが、この作品はその中でも傑作のひとつである。登場人物の一人である山椒大夫は、歴史の中の人物としてはアウトサイダー的な人物だ。
鷗外は、当時の時代の空気感を感じながら、その時代を生きた山椒大夫という人物に、文学者として興味を抱いたのかもしれない。
「山椒大夫」は50年という歴史を重ねてきたあめんぼ座の節目の公演にふさわしい、重厚な作品であるだろう。観客の皆様がそれぞれに、何かを感じ取っていただければ幸です。
熊本 一(劇団大阪)
Profile
kuma.jpg長崎市出身。損害保険会社に勤務しながら、1971年劇団大阪創立に加わる。以降2017 年まで劇団代表。1974年稽古場谷町劇場を創設。2010年劇団大阪シニア演劇大学創設 。劇団大阪、シニア演劇大学、シアター生駒などでの演出活動は100作を超える。
「そして、あなたに逢えた」(近石綏子作)で大阪文化祭賞、新劇フェスティバル作 品賞、第一銀河ホール地域演劇賞受賞。ほか演出作品に府民劇場奨励賞、大阪文化祭 奨励賞などを受賞。1988年大阪府知事賞(文化芸術部門)表彰。2021年地域文化 功労者
キャスト
語り    泉谷聖子
      西野孝子
      柳沢佐和子
安寿    川口雅子
厨子王   当麻美規子
母     柳沢佐和子
姥竹    南数美
山岡太夫  真木美佐緒 
佐渡の次郎 山本郁美
宮崎の三郎 森際いづみ
山椒大夫  泉谷聖子
二郎    南数美
三郎    鬼頭寿美子
奴頭    柏原圭子
関白師実  西野孝子

スタッフ
演出    熊本 一(劇団大阪)
演出助手  名取由美子(劇団大阪)
台本・構成 笙野 泉・熊本 一
舞台美術  内山 勉
大道具   安田幸二(夢工房)
照明    新田三郎
音響    照島佳宏(照島音響)
衣装    秋本日砂衣
舞台監督  北尾利晴
宣伝美術  尾崎閑也
イラストレーション 奈路道程
記録    堀出恒夫
映像・記録 溝口隆徳
協力    伊丹 伝(劇団EBIE)
      信田政博
制作 朗読劇団あめんぼ座
   五十周年記念公演上演委員会
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アクセス
 吹田市文化会館内(公財)吹田市文化振興事業団
〒564-0041 吹田市泉町2丁目29番1号
TEL:06-6380-2221  FAX:06-6330-7230

阪急千里線吹田駅前
(梅田方面からお越しの場合は、吹田駅進行方向一番前の改札を出てすぐ)
梅田より約20分
(山田、北千里方面からお越しの場合は、吹田駅一番後ろの改札を出て地下道をくぐりすぐ)
山田より約11分、北千里より約13分

◆JR東海道本線吹田駅より徒歩15分
(吹田駅中央改札を出て、線路沿いに大阪方面に)
朗読アラカルト2023秋(吹田メイシアター小ホール)での
劇団あめんぼ座江國香織「草之丞の話」内田百閒「くだん」 芥川龍之介「尾生の信」半村良「箪笥」は大好評でした。

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